ジルコニアとセラミック、前歯にするならどっちが適してる?
色の違いや見分け方が知りたい
そんな疑問にお答えしましょう。
歯の治療をする時に、以前は金属で詰め物をすることがほとんどでしたが、今は安全性などの観点から、白い素材も増えてきましたよね。
その際、セラミックやジルコニアという名前をよく耳にしますが、一体何が違うのかご存じでしょうか?
実は筆者も当事者になるまでは、どっちがどっちなのかよく分かっていませんでした。
そこで今回は、ジルコニアとセラミック どっちが前歯に最適?色の違いや見分け方と題して、詳しく解説したいと思います。
ジルコニアとセラミック どっちが前歯に最適?色の違いや見分け方
ジルコニアとセラミック、前歯にするなら一体どっちがいいのか?
筆者の上の前歯3本がブリッジなのですが、ジルコニアとセラミックの両方を使い、作ってもらいました。
実際の写真はこちらです↓
一番大きい歯から3本が、内側部分がジルコニアで、表面がセラミック製のブリッジです。
どうでしょうか? 本物の歯と見分けがつきますか?
こうして、ジルコニアとセラミックの両方を組み合わせた素材は「ジルコニアセラミック」などと呼ばれるようです。
ちなみに、ジルコニアだけだと「フルジルコニア」、セラミックのみの場合は「オールセラミック」などと言われる場合が多いようです。
※歯科医院によって呼び方は異なると思います。
ではなぜジルコニアとセラミックを組み合わせるのかというと、お互いの欠点をカバーし、よい点を取り入れるためなのだそうです。
それぞれどういった長所と短所があるのかを、詳しく説明いたします。
ジルコニアとは
ジルコニアとは、
正式な名前は、酸化ジルコニアや二酸化ジルコニウムと呼ばれ、いわゆる人工的に作られたダイヤモンド
ジルコニアとは?|ますみデンタルクリニック
とも言われている素材です。
2005年に薬事法の認可がおりて、歯科医療に使用できるようになったそうです。
ジルコニアの硬さはおよそ1300Mpaと言われ、後でご紹介するセラミックよりも、割れにくく強度があるのが特徴です。
自然な歯の硬さは400Mpaとされているといいますから、なんと3倍以上の硬さです。
なので、丈夫で長持ちするのですが、むしろ堅すぎるために、噛み合う歯が割れたり削れてしまうなどのリスクがあるそうです。
色は白いのですが、やや透明感に欠ける白さです。
そのため自然の歯と比べてしまうと、少し不自然な印象なんですよね。
ですが現在では、以前よりも透明度の高いジルコニアも作れるようになってきているみたいです。
重さは、金属の3分の1程度と軽く、歯茎や顎の骨などにかかる負担も少ないと言われています。
当然金属ではないので、金属アレルギーの人でも安心して使えるというメリットもあります。
などなど、ジルコニアにはこうした長所と短所があります。
強度や色の透明感などを考えるとジルコニアは、食べ物を強い力で噛み砕く必要があり、またあまり目立つことのない、奥歯に向いているといえるでしょう。
セラミックとは
一方のセラミックのみを用いた場合は、オールセラミックと呼ばれ、
セラミック治療の中でも審美性、耐久性の点で優れています。審美性を重視する方や、治療の部位が前歯など目立つ場合におすすめ
セラミックの種類は?種類ごとの特徴とおすすめを解説|東京先進医療クリニック
とのこと。
セラミックの硬さは360〜410Mpaと言われ、自然の歯の硬さ(400Mpa)とほぼ同じくらいです。
ですがセラミックとは、いわば陶器のことですから、金属よりも割れやすい特徴があります。
よって、噛み合わせが強い場合は、欠けたりヒビが入りやすいので注意が必要です。
セラミックの長所は、なんといってもその透明感です。
何十種類もの素材を何重にも重ねて色味を出していくそうなので、自然の歯と遜色のない質感が生み出せるのだそうです。
以上のような特徴からセラミックは、前歯に向いているといえるでしょう。
一方、強い力のかかる奥歯にはあまり適していないとも言えます。
メタルボンド
ちなみに上の写真は、筆者が「ジルコニアセラミック」のブリッジに作り替える前まで使っていた、前歯のブリッジです。
これはメタルボンド(陶材焼付鋳造冠)といって、中身は金属で、外から見える表面部分にセラミックを焼き付けてあります。
※歯の真ん中が割れたように見えるのは、外す時に入れた切れ込みです
なのでこのように、裏側は銀色の金属部分が完全に見えてしまっていました。
一方ジルコニアセラミックで作ったブリッジは、上の写真のように裏側も真っ白でした。
メタルボンド(金属+セラミック)の長所としては、ジルコニアやセラミックに比べて費用が安いこと。
短所としては、金属アレルギーの人は使えない、歯の根本から金属部分が見える場合がある、などが挙げられます。
セラミック矯正はやめた方がいい
以上が、ジルコニアとセラミックの違いや、どっちがいいのかについてでしたが、セラミックと聞くと「セラミック矯正」のイメージが強くありませんか?
セラミックは透明感があって審美性に優れているんだから、きっといいものなんじゃないか?と思っていたら、ちょっと考え直してみてください。
筆者はセラミック矯正は、絶対にやらない方がいいと思っています。
なぜなら、筆者自身が実際に行なって、今でもとても後悔しているからです。
セラミック矯正とは、健康な歯を細く削り、そこにセラミック製の義歯をはめる手法です。
筆者の前歯3本はジルコニアセラミックのブリッジだとお伝えしましたが、それを外すとこんな感じです↓
筆者は前歯が出っ歯で、かつガタガタだったので、見た目をよくしようとして、この方法で歯並びを揃えました。
具体的にいうと、奥に引っ込んだ2番目の前歯を抜き、両隣を削り、3本つながったセラミック製(メタルボンド)の義歯をはめました。
確かに見た目はよくなったので、その点は満足でした。
ところが一部だけ歯並びを変えたので、下の歯とぶつかってしまったんですよね。
そこでぶつかる下の歯を削ったのですが、それが原因で噛み合わせがずれてしまい、さらには下顎も奥に下がってしまったんです。
結果的にその後約10年間、体調不良に悩まされ、大変な日々を過ごすことになってしまいました。
また、2018年からワイヤー矯正を始めたのですが、ブリッジを仮歯に変える必要があったり、本来ならしなくてもいい処置をたくさんしなければなりませんでした。
また、健康な歯を抜いたり削ったりしてしまっていることから、完全な噛み合わせに戻すことはかなり難しとのことでした。
なので歯並びを治すのであれば、セラミック矯正のような健康な歯を抜く方法ではなく、自分の歯を動かすワイヤー矯正を強くおすすめいたします。
セラミックという言葉のイメージや、簡単に白い歯並びが手に入れられるといった売り文句には、ぜひお気をつけください。
セラミック矯正はやらない方がいい理由は、こちらに詳しく書きました↓
ジルコニアとセラミック どっちが前歯に最適?色の違いや見分け方 まとめ
以上、ジルコニアとセラミック どっちが前歯に最適?色の違いや見分け方というテーマで解説しました。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。